レバレッジについて説明したいと思います。機能的に定義すると,負債を増やすことで投資対リターンの比率を高める仕組み,となります。この機能はリスクの適切な切り分けによるものです。
レンダーはローリスクでローリターンの人です。エクイティ投資家はハイリスクハイリターンな人です。これをすっきり切り分ける。これをアメリカ人が発明した。さらに,複利と単利。レンダーは単利で貸してくれるんでエクイティ投資家からすると非常にありがたい。せいぜい3%,上場会社だと0.x%
レバレッジファイナンスのメリットとデメリットです。親会社が元本保証せずに借りれた場合ですね。分かりましたでもしっかり返してかなきゃいけないからちゃんとキャッシュを生み出さなきゃいけないっていうのがやっぱり体を引き締めるとかそういう効果はあるとされます。
ここでコベナンツということについて考えます。親会社に保証を求めない代わりにレンダーとしてはこういう条件が満たされてしまうと返済が遅れそうなると全額期限の利益を失いますよみたいなこと言ってくるわけですね。そういう条件ではじめて貸してくれる。これがコベナンツというものです
まあそうすると危なくなると一括返済してきてねとは言ってきます。その時はコベナンツヒットで,Waiverとか言って,救済措置を求めて,他の金融機関との交渉したり色々しなきゃいけなくなってくると。そこに気を取られて経営どころじゃないです。
また,事業の強直性をもたらします。貸付条件で,もうじゃあ大きな設備投資するのはしないでください,っていうか承諾事項としてくださいとか,借りる時に貸す時に言わされるんですね。そうするとじゃあ資金計画また書き直さないといけないって時に,そんなの無理って言ってたじゃないですかっていう感じになる可能性があります。かといて全部予見できたか,できないわけですよね。また設備投資,工場の改修,台風の被害回復とかいろんなことで流動的に機動的に資金を調達しにくくなる。
レバレッジが利きすぎてるときついです。普通はまず事業会社はこれに手を出さないほうがいいと個人的には思っています。
事業承継案件が地銀のネットワークにあって支店長のところに案件が上がってきて,それを本部が集約してバイトファンドとかに持ち込んで来てくれると時とかには,基本的なそこでLBOローンの組成はそこにお任せしますという感じです。それでサステナブルな関係を獲得する。
事業会社で買う時も基本的には,LBOまではいかなくてもその対象会社の預金は吐き出して,必要運転資金をノンリコースで借り入れればそれはもうほぼレバレッジが利いた状態です。この一番のレンダーというのはやっぱりソーシングに関わってくれた銀行さんという形になる。
他の例としては,M&Aセンターさんとかから紹介された案件とかだとそこの関係してる地銀とか,あとは東京スターとかあおぞらとか新生とかに競争してもらうと言うかそういう形になることが多いと思います。
エクイティ資金の調達に関しては,例えば赤い銀行がメインバンクで緑の銀行と青の銀行がサブバンクであったとしたら,赤い銀行に持って行き,よきところで二番手三番手の緑と青にも話をすると。青と緑はそこで貸付のパーセンテージを上げるように金利をがんばってきて,メインバンクに緊張感を持ってもらう。
もし青と緑が金利がすごくがんばってくれたそこにすることも場合によってはありえます。そこで政治判断です。何体何対何で出させるというのもあり得ると思います。
ちょっと話はズレますが,上記の赤青緑の例で,ソーシングで関わってもらわなかった場合でも,対象会社も既存の取引の金融機関のシェアを下げてお世話になってる銀行さんをメインにすることもあります。地方だと地元の関係があるのでそこを完全にはがすというのはハレーションは大きいのでやりません
日本は上限金利の規制が厳しいですが,それはイスラム金融みたいな感じでごまかすことはできるはずで,ミドルリスクミドルリターンで適正に踏み込んで回収できる,単利で20%以上でのデットに取り組めるメザニンのようなレンダーがもっと育って事業を回転させるといいのかなと思います
出資法・利息制限法は,反社排除と個人保護と期間制限ができてればOKで,一律の金利規制(プライスコントロールという最も苛烈な市場介入)がベストかというと,そうでもないと思います。短期の事業資金を少ない審査で機動的に出せて,かつ行儀が悪くないプレーヤーがもう少し増えても良いのではないかと思います。